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GNUとはリチャード・ストールマン(Richard Stallman)が提唱したフリーソフトウェア群の協働開発プロジェクト。
サイト作成者は1990年頃のある時期にSPARCワークステーションを使った。オペレーティングシステムのSunOSはシステムVの皮をかぶったBSDで著作権がややこしくなる途上のユニックスだった。viより使いやすいエディタを求めてGNU Emacsのソースコードをコンパイルし、共立出版のマニュアル本でGNU宣言を知った。改めて宣言を読めば感慨深く、巨大利権化したIT産業にGNUが今なお貢献する事実をどう捉えようか。
GNUはユニックスに代わるオペレーティングシステムを目指す活動である。肝心のカーネル(オペレーティングシステム中核)は完成せず、しかしシェル(あなたとカーネルを仲介する対話プログラムで例えばPOSIX互換ターミナルで経験する入出力)や各種コマンドラインツールといった周辺ツールは充実した。本サイトが利用するコンパイラもそういった周辺ツール(GNUツール)に属するコマンドラインツールである。一方でリナックスはリーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)が開発したユニックスライクなカーネルが本来で、周辺ツールを全く持たない。
結果としてリナックスカーネルにGNUツールその他を合わせたものが"リナックス"オペレーティングシステムとして流通する。これをストールマンは容認できず"GNU/リナックス"オペレーティングシステムと呼ぶことを主張する。オペレーティングシステムとはカーネルに必要な周辺ツールを加えたものを指すべきで、さもなくば"GNU/リナックス"と"アンドロイド"は同じ"リナックス"になってしまうではないか。
GNUツールはリナックス以外でも利用でき、ウィンドウズ上のPOSIX互換システムであるCygwinやMSYS2はGNUツールを積極的に利用する。さらにMSYS2のmingw32/mingw64サブシステムはGNUツールの一部を必要ならソースコードレベルで修正し、ウィンドウズ環境からの完全にシームレスな利用を可能とする。本サイトもウィンドウズターゲットであるがMSYS2を介して多くをGNUツールに依存する。